春が来る。花が咲く。元の暮らしの、足音。
電話がなった。
誰だ?
最近は何らかの第一報はLINEであることが多い。もじが飛んできて、もっと知りたければこちらから電話をかけるということが日常になっていた。
相手の時間のある無しを慮り、まずは非同期コミュニケーションで挨拶(さぐり)を入れる。
ここ半年くらい続けていた習慣であり、何疑わないマナーだった。
しかし、電話が鳴った。
私は会社から帰る途中の車の中だった。
脇に車を停めて、電話に出る。
そう、半年間無かった、
懐かしい感じ。
こんな事をするのは飲み友達の誰かに違いなかった。案の定、スマホの画面には飲み友達の名前が。
今、飲みたい。
今、会いたいから電話をくれる。
悪い気はしない。
「どう?元気?」
他愛もない挨拶
「〇〇と△△は営業再開したよ」
「楽しみだね」
私は忙しかったので、残念ながら誘いに乗ることは出来なかったが、悪い気はしない。少しバカ話をして、
「また飲もうよ!」
と電話を切った。
愛すべきろくでなし達。
勿論私もその一人なのだが、
サラリーマンをしている手前、
彼らのように何でも自由とはいかない。
でも、彼らも人を使う身であり、より一層感染には気を遣っている。
それが証拠にきちんと緊急事態宣言の解除まではおとなしくしていた。
お医者様や政治家の先生方は「夜の街」で楽しんでいらっしゃったとニュースで聞いたのとはエラい違いだと思ったもんである。
もうすぐ、春が来る。
正しく感染予防しながら、そっちの意味でも経済を回していかなければな、、、とニヤついた訳である。
しかし、また春はもう少しだけ先になるようだ。
春よ、来い、
早く、来い。
最後まで読んでくださり、
ありがとうございました。