お役に立ちたい!ズレてる私の感性はいかが?

今まで「ズレてる」と言われてきた感性を、「独特の切り口」としてお役に立ててもらえれば、というブログです。

【ひとこと】ある日の午後の記録〜午睡〜

帰途
後悔も少しあり
足取りは軽やかではないが
人生に少しの潤いが増えたのを覚え
喜びを感じるようになった

家に着く
普段ならすぐに明かりをつけるところだが
今日は違う
急に強い眠気を催し自然と体が横になる
寝床に潜り込み
窓から半分見える空を見上げるが
薄く伸びる雲と家々の壁が
西から照りつける太陽を反射して
明るく輝いている

普段は何ということのない
雲と家々の壁
ここぞとばかりに
鏡のように
光を跳ね返す

家と電柱をつなぐ管
一羽の小鳥が舞い込んできて
しばらく遊んだ後飛び去るのを見る
朦朧とした私の意識の中に
その小鳥の影がうっすらと映り
そしてゆっくりと変化をしていく

時系列が入り交じる
現実と夢想の世界の

暗い空
赤く光る山
匂いの無い冷たい澄んだ空気が
違う時間軸に移動したことを知らせる

私は今
夢と現実を行き来している

記録し続けることができるだろうか
夢の世界
黒い鳥の形は
姿を変え
空から降る
大きな一枚の灰


辺りはもう何も見えない
随分と時間が経っている
記録し続けることは
叶わなかった

ゆうべの風と
月の誘い
寝汗が不快だったが
誰と会うでもない
また靴を履いた

ある日の午後の
記録

智恵子抄