【ゆるキャン△】ソロキャンプが流行って、パラダイムシフトが起こるのか。
この前実家に帰った時に、弟から見せてもらったのだが、実に良い。
私は正直ハマったし、繰り返し楽しみたいと思ったし、あからさまに言うわけではないが、作られた楽しみに塗れた今の日本に対する明らかな比較軸としてのキャンプを提示しているように見えたのが、良かった。
その為に女子高生を主人公にしているのも富士山の麓が舞台なのも、無理がなくて良い。
女子高生はお金が自由にならないけど、その限られたお金の中で必要な道具を準備して、程よく周りの大人の力を借りながら、自然を楽しみ、美味しいものを食べ、友情を深めていく。その過程を微笑ましく眺める事ができる。
また、初心者と上級者が程よく出てくることで、視聴者のレベルを問わず楽しむ事ができるのも良い。入門書であり、参考書でもある。
一つ問題が有るとしたら、女子高生が、ソロキャンプをする理由である。女子高生は朝から現場に入って、遊んで、焚き火をしながらご飯を作って、食べて、そのまま帰ったほうがよいのだ。蓋し日本は治安が良いとはいえ、やはり女子高生が一人で寝泊まりするのはそれなりの危険が伴う。
もう一つ、オッサンがソロキャンするのは「帰られないから」なのだ。オッサンのソロキャンプに付き物なのが酒で、車で遠方に出てきた場合、運転して帰れなくなってしまうのである。ゆっくりとした自分の時間を愉しんだ上で、その場でそのまま寝てしまう事ができる。酒飲みにはこの上ない愉悦の時なのだが、女子高生に酒を飲ませる描写は如何なものかと思うし(その代わりグビ姉なる大人が登場するのだが、、、)女子高生に共感してもらうことは出来ないだろうし、酒飲みでない大人にも共感することは極めて難しいのではないかと、要らぬ心配をしているのである。
ただ、劇中に詳細なる描写はなかったが、私が好きなソロキャンならではの至福の瞬間がある。
朝である。
夜も明け切らぬうちに起き、火を起こしコーヒーを淹れる。やはり冬が良い。済んだ空気を肺一杯に補充すると、心のゴミが吹き飛ばされるような、何とも心地よい気持ちになる。
簡単な朝食を拵え、白みゆく空と鳥の声や風の音と共に、軽く胃袋を満たし、心と体に暖を取る。
冬のキリッとした空気も良いが、夏の爽やかな朝も良い。木々の呼吸の香りや草の朝露を弾く香りが漂う中、ただ空を眺める時間はやはり至福である。
朝を描いてほしいと思いながら、そうすると女子高生がソロキャンする理由が出来てしまうのが複雑で、(もしや、ワザと描かなかったのか?)と勘ぐるのもまた良い。
お金のかかるレジャーを真っ向から否定するわけではないが、そのアンチテーゼとしての舞台装置を完備しながら、その愉しさを描写しきってなお、萌えアニメとして成立しているのも、凄い、良い。
クールジャパンの真骨頂でありカルチャーでありハウツーであり萌えなのである。
世界を平和で優しいものに変えていく力を感じた。
思わず愛を爆発させてしまった。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
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