菅総理の一手がことのほか効いている。菅総理の任命拒否理由を面白おかしく推測する。
先日、菅総理のの学術会議の会員任命拒否について書いた時に、これは菅総理の王手飛車取りではないか、と書きました。
つまり、無駄の多い機関を国民の世論によって改善するか、中から改善するか、という二者択一を迫った、という見方です。
しかし、この一手はことのほか効いているようで、関係者はあたふたあたふた。聞いていてこちらが恥ずかしくなるような理屈で自己の主張の正しさを叫んでいます。
しかし、こじれればこじれるほど、国民はその機関自体の存在意義に疑問を持ってしまい、傷口は大きくなるばかりです。
今後、菅総理の口から任命拒否の理由が言われることはおそらく無いとは思いますが、こちらで予想してみようかと思います。
1.特定の思想に偏っているから
これは個人を任命拒否する理由になりませんね。
会としてバランスが取れていればいいのですから。
2.顔が嫌い
多分この線はないと思います。
菅総理はそのへんはおおらかな方だと思います。
3.政府に反する研究をしているから
政府に反する研究をしている方は他にも沢山いると思います。今回の6人だけが任命拒否になる理由にはならないでしょう。
そもそもそのような会議に血税を注ぎ込むべきかという問題はさておいて。
4.他国のスパイだから
証拠もなくこのようなことはできないでしょう。たとえ研究内容からそのような雰囲気が見え隠れしてもそれだけの理由では難しいと思います。
5.金持ちだから
菅総理は叩き上げなので、金持ちがお嫌いかもしれません。しかし、それではこの6人以外にもっとお金持ちがいっぱいいると思います。そもそも潤沢に資金がある研究者に血税を割り当てる理由って何なのでしょう。
6.なんとなく
そんなことは許されませんし、なんとなくならあの人やこの人が入っていないのはおかしいでしょう。
7.評価される論文を発表していないから
今回任命拒否された方はおしなべて論文の引用回数が少ないと報じられています。これだと定量的に判断出来るので、妥当な線だと思いますね。
しかし、どのレベルで引用されたかなどについては色々な判断の仕方がありますので、総理の口から話されるのであれば将来的な(任命拒否の)参考になるかと思います。
と、勝手に色々な理由を推測してみましたが、皆さんはどう思われますか?
学術会議はハードランディングを選ばされた。うまい方法で。組織の弱さ、人の欲、無駄の隠蔽、利権構造。いろいろなものがあぶり出され、これから、支持する研究者、しない研究者で、勝手に色がついていくのは楽しくて仕方ありません。痛快。
最後まで読んでくださり、
ありがとうございました。
学者にできることは何か――日本学術会議のとりくみを通して (叢書 震災と社会)
- 作者:広渡 清吾
- 発売日: 2012/05/18
- メディア: 単行本