「虚しさ」という「苦味」
皆さんは今、幸せですか?
少し前、マスターカードのCMで
「お金で買えない価値がある、買えるものはマスターカードで」
と言う、イカした台詞がありました。
〇〇何円、〇〇何円、(例えば誕生日のためのケーキとか、そんな準備にかかるものに値段をつけています。そして、その結果としての、)
子どもたちの笑顔priceless・・・
と言うものです。
覚えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、いくら豪華な準備をしても、満たされない思いもあるでしょう。
私の友人に社長の息子で、お金は与えられ、欲しいものは何でも買ってもらえる、そんな友人が居ました。
でも、彼は鍵っ子でした。
友達も、彼の家にゲームをするために集まりますが、友情というものを感じる瞬間は少なかったようです。
一度、彼は大事なキン消し(わかるかな、、、)を一つ無くしてしまったことがありました。
多くの友人が帰ってしまう中、
私と、もう一人の友人だけが探して居ました。
夕方七時を回ったぐらいでしょうか。
彼の靴紐に絡まるキン消しが発見されました。彼はとても喜んでました。
なぜ彼はそこまでこのキン消しにこだわっていたのか。
それは、実は彼が欲しがっていたものと私のダブっているものを交換したものだったからです。(腕の伸びるアシュラマンのやつで、当時レアでした。)
彼はだから必死でした。
私ともう一人の友人と彼の三人は中学卒業まで仲良く過ごしました。
彼は、私やもう一人の友人と遊ぶときは本当に楽しそうで、チョットわがままになりました。でも、私達はそれを受け入れていました。なんか嬉しかったからです。
彼はキン消しをたくさん持っていましたし、その気になればまた新しいものを手に入れることは容易だったでしょう。
しかし、小学校4年生の彼には、
それよりも、友達とキン消しを探す時間のほうが尊かったのでしょう。
後になって彼の口から、
「あの時は『楽しかった』」
と言う事を聞いたことがあります。
彼は私達と一緒に何かしたかった。
探したかった。
純粋にそう思った。
それだけだったそうです。
お金で買える幸せには虚しさがつきまとう。
「甘み」を味わったあとに、重く、長く続く「苦味」がついてくる。
本当の幸せは、
努力や苦労、面倒さという「苦味」が過ぎ去ったあとに通り抜ける爽やかな「甘み」のようなものかも知れない。
表裏一体、だが、後味の良いもののほうが、良い。
最後まで読んで下さり、
ありがとうございました。